映画『約束のネバーランド』感想

映画『約束のネバーランド』観ました。以下、作品の内容を含みます。
よかった。だいぶよかった。1話から農園脱出までを2時間にぎゅっと詰め込んでいたのだけれど、省くところは上手く省き、丁寧に描くべきところは丁寧に描いていて、とても自然な流れで見せていたと思う。
浜辺美波さん演じるエマは、原作のエマよりフェミニンで愛くるしさ抜群だった。とても魅力的なエマだったと思うし、演じる人間によって原作のキャラクターの違う一面を引き出してくれたように感じ、とても嬉しく思った。
そしてなんといっても北川景子さん演じるイザベラが素晴らしかった。北川景子さんの演技力で引っ張る作品だったと思う。優しいお顔が秒でつり目になるのあれどうやるんだ…すごかったなあ。
渡辺直美さん演じるクローネは、彼女の演技は本当に素晴らしかったのだけれど鬼ごっこのシーンの迫力が少し足りなかったように感じて残念。鬼ごっここそクローネの力の真髄だと思うので、もう少し撮り方とかCGとかでなんとかならなかったのか、と(素人は愚考します)。
ドンとギルダの、農園の真実に心を乱されて狼狽するところや、その後エマ・ノーマン・レイの背中を追う姿勢など、年相応の青臭さと一生懸命さもよかった。ナイスキャスティング。ドンとエマたちとの揉め合いに尺を使わずにさくっと終わらせたのも良い采配。
鬼、想像以上に怖くてこんなの勝てっこない感凄まじかった。そしてその横に凛と佇むママ(北川景子さん)の異質さも際立っていた。コニーの死体は原作やアニメほどおぞましい描写でなかったのが個人的には助かった。ホラーが苦手なので!
賛否あるアニメ2期の原作改変真っ只中に映画の方を観たのでことさらに映画の脚本の秀逸さが脳と心に沁みた。観に行ってよかった。